ロジクールのワイヤレスキーボードK780に乗り換えて数か月経過したので、使用感、良い所、気になる所をレビューします。結論から言うと、タイプ音も静かで打っていて気持ちの良いキーボードですが、デバイス間の切り替え操作がいまいちです。ワイヤレス接続は安定しており、打ち漏らしや重複などはありません。
パソコンとiPad、iPhoneの間でキーボードを切り替えて使いたいんですけど、マルチデバイスキーボードってどれがいいんでしょうか?
ロジクールのK780は3台まで機器を登録してボタン一つで切り替えて使えます。テンキー付きのコンパクトサイズなので事務作業にもいいですよ。
今回紹介するのはロジクール K780ワイヤレスキーボードです。3台までのマルチデバイスに対応しており、Logicoolの無線技術UnifyingとBluetoothの両方で接続することができます。Logicool Flowにも対応しており、マウスとキーボードを複数台のパソコンにペアリングしておき、マウスポインタが画面端に行った時に、隣のパソコンにマウスとキーボードがスムーズに切り替えることも可能です。2台以上のPCを同じ机で使う時はこの機能はとても便利です。
購入に至った経緯
私の最近のキーボード遍歴はSatechiのUSB+Bluetoothのマルチペアリング対応のUSキーボード → ロジクール K295 → そして今回のK780です。
K295には下記でレビューも書いていますのでよかったら参考にしてください。
買い替えに当たって考慮する点として、既にLogicoolのUnifying接続のマウスを使っており、Flowを使って他PCと切り替えも行いたかったのでUnifyingのFlow対応キーボードであることは必須条件でした。その条件を満たす、CRAFT(KX1000s)、MX KEYS(KX800)、K780の中で一番安いK780にしました。
レビュー
外観
機能
キーボードとしては、テンキー付きの日本語JIS配列キーボードです。方向キーは小さく右シフトの下に配置されています。HOME, END, INSERT、DELETE、PageUp、PageDownのキーは省略されていたり、ファンクションキーの右側に配置されており、キーボード全体の幅はフルサイズキーボードよりコンパクトになっています。
接続はLogicoolのワイヤレス技術UnifyingとBluetoothの両方に対応しています。既にUnifying機器を使っている場合は同じレシーバーでマウスもキーボードも両方接続できるのでUSBポートの節約にもなります。
デバイスの切り替えボタンや、メディア再生・停止、音量調整などのショートカットキーはファンクションキーと共通になっています。ファンクションキーを押した時のデフォルトの動作はデバイス切り替えやショートカットキーのため、ファイル名の変更でF2を押したり、カタカナ変換のためにF7キーを押したい場合などはFnキーとファンクションキー(F1~F12)を同時押しすることになります。
このデフォルトの動作はLogicool Optionsで切り替えて、単にファンクションキーを押したときにそのF1~F12の動作をするように変更もできるのですが、あくまでソフトウェア的な切り替えのため、Logicool Optionsが起動している時しか有効になりません。後述しますがこの点はこのキーボードのマイナスポイントです。
キーボードの裏の電池蓋を開けると、Unifyingレシーバーを保管するためのスペースがあります。
打鍵感
打鍵感の良しあしは一概に言えませんが、個人的には悪くない感触だと思います。ノートPCのパンダグラフのようにストロークは浅めの打鍵感ながら、キータッチは軽すぎず適度な押し込み感があり、安っぽい印象は受けません。ストロークが深いのが好きな方や、重めのキータッチが好きな方向けではないかもしれませんが、しっとりした打鍵感が好きな人にはおすすめできるかと思います。
以前に使っていたK295も、最初は悪くない打鍵感だと思っていましたが、使っていくにつれ満足できなくなってきて今回の買い替えに至ったという経緯があるので、なかなか好みの打鍵感を持つキーボードを見つけるのは難しいです。いろいろ試してみてお気に入りの一台を見つけられたらいいかなと思います。
静音性
K295と違って静音性を売りにしてはいないものの、K295と同等かそれ以上の静音性を備えていると感じます。キーボードを押した時の音にカチャカチャ耳障りな音はせず、ゆっくり打てばほぼ無音も可能なぐらいです。
ただキーを戻した時に「キッ」というこすれるような音や、エンターキーやスペースなど大きめのキーは押したときに「カシャ」という音がします。また当然力強く打つと音は発生しますし、爪でキートップを押せば当然爪があたる音はしますので完全無音でタイピングできるわけではありません。とはいえかなり音は抑えられているのでリモート会議などでマイクにタイピング音が入って迷惑になるという事はなさそうです。
キー配置
フルキーボードではないため、テンキーとエンターキーの間にあるキーは省略されたり位置が変わっているので慣れが必要です。DeleteキーはBackSpaceの上にあり、Insertはその横に配置されています。
HomeとEnd、PageUp、PageDownは単体では用意されておらずテンキーのNumLockをオフにして、1や7,3や9のキーを押すことで代用する形となります。
方向キーは縦のサイズが他のキーの半分ほどになってしまっているため、特に上下のキーが押しにくいと感じるときがあります。
横幅を省スペース化する代わりにこれらのキーが省略されていたり小さくなっているのをどう見るかですが、個人的には横幅が増えてもキーは省略せずフルサイズで出してほしいかなと思います。(それなら多少高くなってもMX KEYSへ行くという選択肢もあります。私ももしかしたら1年後にはMX KEYSを使っているかもしれません)
ワイヤレスの安定性
Unifyingで接続していますが、K295と同様、無線キーボードであることを意識させるような入力の遅延やキーの取りこぼしや重複といった問題はほとんど起こらず、快適に使えています。他のメーカーでありがちなしばらく使っていない状態でキーボードがスリープに入った後の入力一発目を取りこぼす、という事も一切ないため、私はワイヤレスマウスやキーボードはUnifying一択です。
マルチペアリング
3台までのデバイスとペアリングしておけるので、1台目をPC、2台目をSurface、3台目をiPhoneにペアリングしています。ただ、デバイス間の切り替えはファンクションキーと共通のキーを使用します。その上デフォルトではキーを押した時の動作がデバイス切り替えのため、もしファンクションキーを使う場合はFnとの同時押しが必要になります。例えばExcelでセルの編集をしようとして単にF2を押すだけだと、デバイス2に切り替わってしまいます。そうなると元に戻すためにもう一度F1を押してデバイスを戻し、改めてFn+F2を押しなおすという操作が必要になり、何回か続くとうっとおしく感じます。
一応PCのLogicool Optionsでデフォルトの動作をファンクションキーに切り替えることはできるので、そこで設定を行う事で、F1~F12のファンクションキーをデフォルトに設定することは可能です。しかし、これはあくまでソフト的なものなので、Logicool Optionsが起動している時しか有効になりません。PC起動時や終了時などOptionsが終了した後にファンクションキーのつもりでF1-F3を押すとデバイス切り替えになってしまう時があります。
さらにiPadやiPhoneに接続しているときはLogicool Optionsが有効になっていないので、デフォルトがデバイス切り替えになってしまいます。つまりPCのときはFn+F3でiPhoneに切り替えても、iPhoneからPCに切り替えるときはFnを押さずにF1だけを押すことになります。このように、操作が統一できないため操作性が良くない状態になってしまいます。
2倍以上の値段がするMX KEYSでは専用の切り替えボタンが用意されていることから、K780の値段ではコスト的に難しいのかもしれませんが、ここは独立したデバイス切り替え用のキーが用意されていたら良かったのにな~と思ってしまいます。
Logicool Flow
SurfaceとはFlowも設定してあるので、マウスが画面端に行くと、マウスとキーボード両方を自動的に切り替えることができます。あまり同時に2台のPCを使う事はないのですが、たまに使う時に便利です。
また、DUOLINKというキーボードのFnキーを押しながらマウスを動かしたり、マウスボタンを押すことで特定の動作を実行できる機能も使えるようになりましたが、Fnキーを押しながらマウスを操作するシーンが無いためほとんど活用できていません。
まとめ
- 静音ながらしっかりしたタイプ感
- マルチペアリングできFlowが使えるLogicoolキーボードの中では安価
- デバイス切り替えがファンクションキーと共通のため面倒
- 人によってはキーが省略されていたり小さくなっているので気になる方も
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